住まい選びの条件を整理して優先順位を考えよう
“利便性が高い人気のエリアで、築年数が新しくて、床面積が広く、付帯設備が充実している”、このような条件で物件を探すと、家賃はどんどん高くなってしまいます。良い物件を予算内で見つけるためには、住まいに求める条件の優先順位をしっかりと整理することが大切です。どのような生活を送るかを考えながら、譲れないポイントと重視しなくても良いポイントを、順に書き出していきましょう。
引越経験のある先輩が何に注意して
決めたか等聞くのも参考になるでしょう
物件に求める条件を再確認してみよう
それでも譲れない条件が多すぎて物件が絞れない場合は、一般的な住まい選びの常識や思い込みにとらわれてしまっている可能性があります。自分の生活スタイルに照らし合わせながら、本当に必要な条件かどうか再確認してみると良いでしょう。
●少し狭くても工夫次第で快適に暮らせる
立地条件を変えなくても、コンパクトな物件を選べば家賃を抑えられます。床面積が多少狭くなっても、収納が充実している物件であれば、収納家具を置く必要がないため室内をすっきりと広く使うことが可能です。また、物を持ちすぎる傾向がある人は、新生活を機に不用品を処分すれば、引越し費用も安く抑えられるでしょう。
●最寄り駅からの所要時間を見直してみる
最寄り駅と物件の距離が近いほど、家賃は高めに設定されます。一般的に徒歩10分を超えると遠く感じると言われていますが、普段からよく歩く習慣のある人なら、所要時間の範囲を広げてみるのも良いでしょう。
また、“徒歩◯分”という所要時間の表示方法は、不動産業界のルールとして“徒歩1分=80m”で計算するよう定められたものですが、信号の数や踏切の有無などは考慮されていません。そのため、書類上の数字はあくまでも目安であり、実際に歩いて確認してみると、本当の所要時間と差が生じることもあります。地図上の距離が短くても、途中にきつい坂道や階段があれば、駅近の利点をあまり感じられないかもしれません。逆に、少し駅からの距離が長くなっても道沿いにスーパーや商店街があれば、買い物しながら帰宅できるため、それほど遠く感じないでしょう。
リノベーション物件なら築古でもキレイ
築浅物件(新しい物件)は家賃が高めです。古い物件は内装が汚れていそう・設備が古そう、といった理由で築浅物件を希望している場合は、リフォーム・リノベーション済み物件を選択肢に加えてみるのがおすすめです。築年数が古くても、床や建具などはもちろんキッチンや浴室などが最新の設備に交換され、空間が一新されている物件があります。
●不在にしがちなら陽当りは重要ではないかも
南向きの部屋は、陽当りが良く暖かいため人気です。そのため、間取りや広さが同じ条件の部屋であれば、北向きの物件は南向きよりも家賃が低く設定されていることがあります。日中家にいる時間が長い人にとっては物件の陽当りは優先順位が高い条件ですが、仕事や学校で普段あまり家にいない人であれば、それほど気にならないポイントかもしれません。また、陽当りが悪いと洗濯物が乾きにくいというデメリットもありますが、浴室乾燥機があればカバーできるでしょう。
■マンションの向き別の特徴を知る⇒・東向き・西向き・南向き・北向き
●周辺環境が自分にとって価値が高いかどうか
生活を快適にする周辺環境が充実しているエリアは家賃が高めです。周辺環境を構成する要素はさまざまですが、一例としては公園や緑地・図書館や役場などの公共施設・学校や保育所・商業施設などがあります。しかし、どんなに周辺環境が充実していても、それらを利用しない人にとってはあまり意味がありません。実際に暮らしはじめてみると図書館や公園を利用する機会はほとんどなかった、というケースもあります。たとえ“人気のエリア”であっても、自分にとって価値が高い周辺環境であるかどうかをよく見極めましょう。
優先順位が定まったら、物件検索をしてみよう
住まい探しの譲れない条件と優先順位が定まってきたら、不動産サイトで物件を検索してみましょう。希望のエリアと家賃の範囲のほか、希望する住まいの条件にチェックを入れて絞り込むことができます。検索結果に表示される物件が少なければ、優先順位の低い条件からチェックを外していきましょう。
条件を絞ってもヒットする物件が少ない場合は、希望の家賃が相場から外れている可能性があります。家賃の範囲を見直すかエリアを変えて探してみたほうが良いかもしれません。なお一般的に、無理なく支払える家賃の目安は、収入のおよそ3分の1までと言われています。